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微細な形状再現に特化したSLA(光造形)方式の3Dプリンタを活用し、樹脂造形品に金属端子をインサートしたコネクタの試作事例をご紹介します。3Dプリントによる樹脂パーツの造形精度と、実際の金属端子を組み合わせることで、量産品と同等の見た目・機能性を持つ試作品を実現しました。
一般的に、樹脂に金属部品を組み込んだインサート成形品を製作するには、専用の金型を用意する必要があり、金型製作費と納期が大きな負担となります。本方式では金型を必要とせず、3D CADデータからダイレクトにインサート部品を製作できるため、コスト・納期の両面で従来手法より強みがあります。試作段階でのインサート部品の設計検証、少量ロットの製作、複数バリエーションの比較検討など、金型製作前の段階で柔軟にご活用いただけます。コネクタの概要
今回試作したのは、電気・電子製品に用いられるコネクタです。実製品では射出成形時に金属端子をインサート成形する構造となっており、今回の試作でもその構成を再現する形で製作しました。
透明樹脂で造形した本体に、外周へ放射状に配置された金属端子を組み込んでおり、透過性のある樹脂を通して、内部の端子固定部・接点構造まで一目で確認できる仕上がりとなっています。試作段階での意匠確認・組付試験・電気特性の初期検証など、量産前の複数の検証工程で活用いただける仕様です。金属インサートの再現ポイント
本事例で特に重視したのは、以下の2点です。
一つ目は、端子挿入部の寸法精度です。実際の金属端子を挿入する穴・スリット形状を、量産品同等の寸法で造形する必要があります。微細造形3Dプリンタを用いることで、端子の断面形状にジャストフィットする挿入部を実現し、実装後もガタつきや位置ズレのない状態で固定できるよう仕上げています。
二つ目は、造形樹脂の透明度です。今回はあえて透明素材を選定することで、通常は不可視となる内部構造や端子の位置関係を、目視で確認できる状態としました。デザインレビューや社内説明用のサンプルとしても機能する構成です。
造形と組立の製法
まず、コネクタの3D CADデータをもとに、微細造形3Dプリンタ用のデータを準備しました。金属端子の挿入部を設計に織り込んだうえで、SLA方式の微細造形専用プリンタを用いて透明樹脂で造形。造形後は、サポート材の除去・洗浄・二次硬化を経て、寸法精度・強度を確保しました。
金属端子については、お客様よりご支給いただく形と、当社にて手配する形のいずれも対応可能です。今回は、ご支給いただいた端子を使用し、造形完了後に樹脂本体へ組み込む工程まで一貫して実施しました。組立にあたっては、端子の向き・位置・固定強度を1つずつ確認しながら丁寧に組み込んでいます。
最小角穴0.06mmの精度で造形可能まとめ
微細造形3Dプリンタと金属インサートを組み合わせることで、樹脂単体の造形にとどまらない、実製品に近い試作品の製作が可能となります。特にコネクタのように、樹脂と金属部品が組み合わさって初めて機能を発揮するパーツでは、両者を一体で検証できる試作品が、開発サイクルの短縮と設計精度の向上に大きく貢献します。
さらに、金型を必要とせず3Dデータからダイレクトにインサート部品を製作できるため、金型製作前の試作段階や、少量ロットでの検証案件など、コスト・納期の両面で従来のインサート成形より柔軟に対応できる点も、本方式の大きな強みです。
なお、今回の事例では金属端子をインサートしましたが、インサートする部品は金属に限定されません。異素材の樹脂パーツ、ゴム部品、電子部品、光学部品など、造形段階で挿入部の設計を適切に行うことで、さまざまな素材・形状の部品を組み込んだ複合試作品を製作可能です。
JMCでは、微細造形3Dプリンタによる樹脂パーツの造形から、金属端子・インサート部品の組付までを一貫して承っております。インサート部品はお客様よりご支給いただくことも、当社にて手配することも可能ですので、必要な形態に応じてご相談ください。コネクタをはじめとする、樹脂+各種素材の複合試作をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
3Dプリンタと金属インサートを組み合わせた試作