様々な生物をX線CTスキャンで3D化し、ウェブブラウザ上で360°眺めることのできるデータとして公開する「CT生物図鑑」サイトの生物模型を作製しました。
工法概要
【カワラヒワ】
工法 | 粉末焼結造形 |
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樹脂 | ナイロン粉末 |
積層ピッチ | 0.1mm |
【アカハライモリ】
工法 | インクジェット方式 |
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樹脂 | AR-M2(株式会社キーエンス) |
積層ピッチ | 0.02mm |
追加処理 | 表面段差処理、クリア塗装 |
【タツノオトシゴ】
工法 | 光造形方式 |
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樹脂 | TSR-883(シーメット株式会社 エポキシ樹脂) |
積層ピッチ | 0.1mm |
JMCのソリューション
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概要
「CT生物図鑑」は物体を透過する性質を持つX線で、骨格まで正確に捉えたデータを掲載しており、生物の構造を楽しみながら学ぶことができるウェブサイトです。今回作製した展示模型は、博物学ゆかりの題材からなるイベント「博物ふぇすてぃばる!4」に出品し、多くの方から興味を持って頂きました。
模型に使用した3Dデータは、全てJMCの産業用CTスキャナ「phoenix nanotom m」で撮影しており、ノイズの少ないCTデータによって、非常に綺麗なメッシュを書き出すことに成功しています。3DプリントにはJMCで対応可能な様々な造形方式を駆使し、バラエティ豊かなラインナップとなりました。カワラヒワの模型には粉末焼結造形を用いました。粉末焼結造形はサポート材を必要としないため、生物の骨格のように複雑な形状の作製に適しています。また3Dプリンター工法のなかでは強度も高いため、肋骨や手足の骨といった細い形状であっても表現することができました。
アカハライモリの模型にはインクジェット方式を用いました。JMCで保有するインクジェット方式の装置は、モデル材とサポート材で見た目が違う特徴があります。今回はこの特徴を利用し、不透明のサポート材を半透明のモデル材の中に封入することで、骨格が透けて見えるモデルを作製しました。また造形直後は積層段差により透明度が十分ではなかったため、表面の段差処理とクリア処理を行うことで模型としての品質を高めています。
CT生物図鑑ではさまざまな生物をCTスキャンによってデータ化しており、ウェブサイト上で360度自由に動かすことができます。
また内部構造を捉えた断面画像なども掲載するなど、普段とは違った視点から生物を観察できるサイトを目指しています。