光造形を学ぶ
-コスパならLCD-

光造形を学ぶ -コスパならLCD-

LCD方式(Liquid Crystal Display方式)は、光硬化性樹脂をUV光で層ごとに硬化させる3Dプリンティング技術です。この方式では、液晶ディスプレイ(LCD)をマスクとして使用し、パネル上のピクセル単位で硬化領域を精密に制御します。液晶パネルの解像度(ピクセル密度)がそのまま造形の解像度に直結するため、非常に精細な造形が可能です。高解像度のパネルを採用することで細部の再現性が向上しますが、その分装置コストも上昇します。
また、LCDパネルはUV光源から発生する熱の影響を受けやすく、長時間の使用によりパネルの寿命や透光率が低下し、造形精度に悪影響を及ぼす可能性があります。この問題を防ぐためには、UV光源からの熱を効率的に管理する冷却システムが不可欠です。多くの機種では、ヒートシンクや冷却ファンを搭載し、LCDパネルの温度を適切に維持することで、安定した造形精度を長期間にわたって確保できるよう工夫されています。

長所

コストパフォーマンス

LCD方式の3Dプリンターは一般的に他の方式に比べて価格が手頃で、初期投資を抑えられます。

コストパフォーマンス

高解像度

液晶ディスプレイのピクセル密度が高いため、細部まで精細な造形が可能です。

高解像度

高速造形

LCDやDLPなどの方式では一層を面でまとめて硬化できるため、レーザー光によって点で硬化させていくSLAと比べて、造形速度が飛躍的に早くなります。

高速造形

短所

液晶ディスプレイの寿命

LCD(液晶パネルパーツ)は長時間使用すると、紫外線や熱などの影響で表示が不安定になるなど、性能が低下していき交換が必要になる場合があります。一般的にはDLPよりも短命の傾向があります。

液晶ディスプレイの寿命

造形の精度

SLA方式(レーザー方式)と比べると、LCD方式はXYの寸法は太めに出る傾向があります。

造形の精度

強めのサポート構造が必要

LCD方式は吊り下げ方式(規制液面方式)を採用しており、逆さまに造形されます。造形物がフィルム際に引っ張り力と液体内での水圧さらに重力が加わります。このため、複雑な形状や薄肉部分ではサポートが不足すると歪みや欠損の原因となります。強固なサポート構造を付ければ解決できますが、後の除去が難しくなります。